Japanese
English
特集 四肢麻痺のリハビリテーション
頸髄損傷四肢麻痺の装具
Upper Extremity Orthotics for Quadriplegia with Spinal Cord Injury
荻島 秀男
1,2
Hideo Ogishia
1,2
1東京都養育院付属病院リハビリテーション部
2東京都老人総合研究所リハビリテーション医学部
1Department of Rehabilitation, The Yoikuin Tokyo Metropolitan Hospital
2Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
キーワード:
頸髄損傷
,
四肢麻痺
,
ADL
,
装具
,
外力の応用
Keyword:
頸髄損傷
,
四肢麻痺
,
ADL
,
装具
,
外力の応用
pp.551-557
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103173
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はじめに
頸髄損傷のリハビリテーションにおいて装具の占める役割は日常生活動作の向上という点にしぼられる.初期の処置に十分の配慮が加えられ関節可動域の訓練が毎日行われる事を前提とすれば変形の予防,拘縮の予防などにスプリント,装具を使用する必要はない.その点ではスイスやスウェーデンのように患者を事故の現場よりヘリコプターでリハビリテーションセンターまで輸送し応急処置のみならず一貫したリハビリテーションが同一施設で行えるのは理想的と考えられるが,わが国ではまだそのレベルには達していない1~4).
麻痺手に対しては色々なケースで色々な機能再建術が試みられているが5~11),あくまでも髄節のレベルと装具スプリントの関係で説明を進めたい.
統計的には全脊損患者の中で高位の損傷(頸髄損傷)は約12~20%の数字であるが12),最近のようにICU,医学的管理が向上して来ると高位損傷患者の生存率が高くなっているので比率も生存者でのレベルをみると約20%近くに達している12).また抗生物質の普及,尿路処理を含め合併症への配慮が濃くなって来るとこれらの患者が合併症で死亡する率も低下するので頸髄損傷四肢麻痺患者は社会的にも大きな問題となるし全国的な視野にたった頸損患者のリハビリテーションプロセスの体系化が望まれる.
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