Japanese
English
研究と報告
臨床的注意評価スケールの信頼性と妥当性の検討
The Reliability and Validity of the Japanese Version Ponsford and Kinsella's Attentional Rating Scale.
先崎 章
1
,
枝久保 達夫
2
,
星 克司
3
,
加藤 元一郎
4
,
三村 將
4
,
水野 雅文
5
,
鹿島 晴雄
5
Akira Senzaki
1
,
Tatsuo Edakubo
2
,
Katsuji Hoshi
3
,
Motoichiro Kato
4
,
Masaru Mimura
4
,
Masafumi Mizuno
5
,
Haruo Kashima
5
1埼玉県総合リハビリテーションセンター神経精神科
2埼玉県総合リハビリテーションセンター臨床心理科
3埼玉県総合リハビリテーションセンター作業療法科
4東京歯科大学精神神経科
5慶應義塾大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
2Department of Clinical Psychology, Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
3Department of Occupational Therapy, Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
4Department of Neuropsychiatry, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
5Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
キーワード:
注意障害
,
評価尺度
,
頭部外傷
,
右脳損傷
Keyword:
注意障害
,
評価尺度
,
頭部外傷
,
右脳損傷
pp.567-573
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108403
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はじめに
臨床的に注意障害を認める脳損傷者を評価するために,いわゆる机上の神経心理学的な注意検査のみならず,日常生活場面での注意障害の評価尺度が必要である.そこで,主に頭部外傷者用に開発された日常生活場面での注意評価スケールPonsford and Kinsella's Attentional Rating Scale1)(表1)をほぼ忠実に日本語訳し,以下の対象と方法にて日本語版の信頼性と妥当性を検討した.
この評価スケールは,注意に関するさまざまな観察事項14項目を,まったく認めない~絶えず認められる,の5段階;0~4点で評価(合計0~56点満点)したものである.14項目は,注意を覚度(alertness),選択性(selective attention),持続性(sustained attention)の側面で分類したVan Zomerenら6)の理諭を実際の臨床に応用したものとして位置づけられている.すなわち,注意の覚度を反映するものとして項目1,6,7,注意の持続性を反映するものとして項目2,13,14があげられる.また,注意の選択性は,その情報処理速度に関するもの(項目3,4,5),転導性の亢進に関するもの(項目8,9),複数のものや重要な細部に注意が向けられないこと(項目10,11,12)にて把握されるとしている1).
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