Japanese
English
研究と報告
右半球損傷の神経心理学的特徴―“注意力検査”による検討
Neuropsychological Features in the Right Hemisphere Damage: Results of so-called attention tests.
水野 雅文
1
,
鹿島 晴雄
1
,
加藤 元一郎
1
,
村上 雅昭
1
,
本田 哲三
2
,
千野 直一
3
,
立石 雅子
3
,
保崎 秀夫
1
Masafumi Mizuno
1
,
Haruo Kashima
1
,
Motoichiro Kato
1
,
Masaaki Murakami
1
,
Tetsumi Honda
2
,
Naoichi Chino
3
,
Masako Tateishi
3
,
Hideo Hosaki
1
1慶應義塾大学医学部精神神経科
2東海大学医学部リハビリテーション学科
3慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
右半球損傷
,
神経心理学
,
性格変化
Keyword:
右半球損傷
,
神経心理学
,
性格変化
pp.221-224
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106748
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はじめに
右半球損傷者の慢性期の症候学は,相貌失認,身体失認,半側空間無視など特別な名称で呼ばれている症候を除いて,その知見は乏しいとされてきた.一方,従来より左側麻痺患者ではその回復過程,特にリハビリテーション場面において,治療効率の悪さ,不熱心さ,深刻味のなさ,病識の低さ,情緒意欲面の障害など,右側麻痺患者に比べて特有の性格傾向のみられることがしばしば指摘されている1~3).このような特有の性格傾向は従来より,右半球損傷による感情障害(躁状態)や注意力障害,疾病否認等との関連が指摘されているが,いずれも現象学的記述にとどまり,十分な説明とは言いがたい.本研究は右半球損傷者のこのような性格傾向を神経心理学的方法により客観的に検討する目的で行った.
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