Japanese
English
症例報告
前交通動脈瘤破裂後の逆向健忘に対するリハビリテーションの試み
Rehabilitation for Retrograde Amnesia following Anterior Communicating Artery Rupture.
先崎 章
1
,
平川 孝枝
2
,
加藤 元一郎
3
,
三村 將
3
,
鹿島 晴雄
4
Akira Senzaki
1
,
Takae Hirakawa
2
,
Motoichiro Kato
3
,
Masaru Mimura
3
,
Haruo Kashima
4
1埼玉県総合リハビリテーションセンター神経精神科
2埼玉県総合リハビリテーションセンター臨床心理科
3東京歯科大学市川総合病院精神神経科
4慶應義塾大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
2Department of Clinical Psychology, Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
3Department of Neuropsychiatry, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
4Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
キーワード:
前交通動脈瘤破裂
,
記憶障害
,
逆向健忘
,
リハビリテーション
Keyword:
前交通動脈瘤破裂
,
記憶障害
,
逆向健忘
,
リハビリテーション
pp.849-854
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108471
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はじめに
前交通動脈瘤破裂後の前脳基底部損傷に伴って生じる記憶障害や認知障害については,さまざまな神経心理学的検討がなされている1-6).前脳基底部損傷後の健忘症候群(Basal Forebrain Amnesia,前脳基底部健忘;以下,BFA)では,前向健忘に加えて,作話を伴った長期の逆向健忘がみられることが知られており,その特徴は,過去の記憶の時間的順序の障害であると考えられている7,8).しかし,その障害に対するリハビリテーションと効果については,ごくわずかの報告9)を認めるにすぎない.われわれは,発症前8年間の出来事について逆向健忘を呈したBFA例に対して,過去の出現事についての記憶の訓練を試みた.
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