Japanese
English
研究と報告
体幹伸展・屈曲比(E/F ratio)の加齢変化―腰痛治療歴のある群とない群との比較
Evaluation of the Trunk Extension/flexion Ratio in Relation to Age and Low Back Pain Episode.
李 俊凞
1,2
,
寺岡 志
1
,
久保田 淳
1
,
戸田 かおる
1
,
伊藤 邦臣
1,2
,
星野 雄一
2
Lee Joon Hee
1,2
,
Hitoshi Teraoka
1
,
Jun Kubota
1
,
Kaoru Toda
1
,
Kuniomi Itoh
1,2
,
Yuuichi Hoshino
2
1自治医科大学リハビリテーションセンター
2自治医科大学整形外科
1Rehabilitation Center, Jichi Medical School
2Department of Orthopaedics, Jichi Medical School
キーワード:
腰痛
,
年齢
,
等運動性
,
体幹筋力
Keyword:
腰痛
,
年齢
,
等運動性
,
体幹筋力
pp.563-566
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108402
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はじめに
体幹筋力の評価は日常臨床において広く施行されており,一般にピークトルク値や伸展・屈曲比(E/F ratio)がその指標として用いられている.ピークトルク値は最大筋力を表しており,E/F ratioは伸展筋力Eと屈曲筋力Fとの比であり,体幹筋のバランスを表している.最大筋力は加齢とともに変化することが知られており1),筆者らが体幹筋力の加齢変化を調査した結果では40代から低下する傾向が認められた2),一方,体幹筋力のバランスについては,その加齢変化を詳細に検討した報告はない.
また,ピークトルク値は,一般に腰痛症例では健常人に比し低下していると報告されている3,4).しかし,E/F ratioについては腰痛症例では伸展力が屈曲力より障害され,低値を示すという報告や3,5-9),屈曲力も伸展力も同様に障害されるため低値を示さないという報告もあり3,10-14),まだ一致した見解は得られていない.
体幹筋力の評価では,四肢の場合と異なり,同一被検者で健側と患側を比較することが不可能であるため,健常例と比較しなくてはならない15).その際には,被検者の年齢と同年齢の健常例のデータが必要である.この研究の目的は,健常例におけるE/F ratioが加齢とともにどのように変化するかを明らかにすること,そして腰痛症例と健常例との値を各年齢層において比較することである.
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