Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
谷崎潤一郎の『春琴抄』―障害者文学としての側面
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.484
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108383
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『春琴抄』(昭和8年)は,谷崎潤一郎一代の傑作であるが,そこには視覚障害者の幸福とも言うべきものが描かれているため,一種の障害者文学としても興味深い作品である.
春琴は,大阪道修町の薬種商の娘で,9歳の時に失明した.そしてこの時から,彼女はそれまで習っていた舞技を断念して,琴や三味線に専念するのである.
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