文豪と死
谷崎 潤一郎
長谷川 泉
1
1医学書院
pp.708
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201168
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谷崎潤一郎(1886〜1965)は川端康成とともに純日本的な作家として外国でも評価された.ノーベル文学賞の候補にのぼったこともあったが,その死のために受賞のことはなかった.川端康成が日本人最初のノーベル文学賞の受賞作家になった.
永井荷風とともに,耽美派の作家としてきこえていた.荷風が初期は自然主義の作家として作品を書き,後にアメリカ,フランスへの遊学を契機に耽美派に転じ,世のすね者として江戸情緒に後退したのに比べれば,文壇登場の初期から一貫して美をあがめ,女性を描くことにたけた作家として終始した.
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