Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
宮澤賢治の『どんぐりと山猫』—障害者文学としての側面
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.1342
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203294
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大正13(1924)年に発表された宮澤賢治の『どんぐりと山猫』(岩波書店)は,賢治の法華経信仰に基づく作品というだけでなく,障害者文学という観点からも興味深い作品である.
『どんぐりと山猫』は,一郎という少年に山猫から「あした,めんどなさいばんしますから,おいでんなさい」という「おかしなはがき」が届く場面で始まる.しかもそれは,「字はまるでへたで,墨もがさがさして指につくくらい」稚拙な葉書だったのである.
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