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特集 障害学Update
診断と評価
ADL能力障害
Measurement of ADL and Functional Status.
鎌倉 矩子
1
Noriko Kamakura
1
1広島大学医学部保健学科
1Institute of Health Sciences, Hiroshima University School of Medicine
キーワード:
ADL評価
,
機能的状態評価
Keyword:
ADL評価
,
機能的状態評価
pp.939-948
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108210
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はじめに
ADL(日常生活活動)の評価は,個々の臨床活動として行う限り,そう難しい問題ではない.患者が日々の必要をどれだけ満たしているか,あるいは満たせないでいるかを調べ,困難の具体的内容を調べ,そして心身の他の所見や環境条件と照らして困難の原因を推測する.そのようなやり方で通常の臨床活動は成り立っていく.
問題は患者の状態を第三者に伝えたり,集団の傾向をまとめたりしようとするときに起こる.どの程度の詳しさを記録に残すべきか,どのような尺度に置き換えて表現するのがよいか,集団比較を可能にする評定方法はなにか,というようなことが問題になる.この種の問題の大部分は,ADL活動が多次元の行動であるところから派生している.
本稿では,ADL能力評価というテーマがこれまでどのように扱われてきたか,また最近注目されているテーマは何かを概観する.さらにそのうえに立って,現在われわれが置かれている状況を考察してみたいと思う.
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