Japanese
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特集 ADLの評価
脳性麻痺児におけるADL発達評価
Developmental Evaluation of ADL in Cerebral Palsy.
姫野 信吉
1
,
松尾 隆
1
,
笠井 薫子
1
,
梶原 サヨ子
1
,
中島 美代子
1
Shinkichi Himeno
1
,
Takashi Matsuo
1
,
Kaoruko Kasai
1
,
Sayoko Kajiwara
1
,
Miyoko Nakajima
1
1福岡県立粕屋新光園
1Shinko-en Handicapped Children's Hospital.
キーワード:
脳性麻痺
,
ADL評価
Keyword:
脳性麻痺
,
ADL評価
pp.107-113
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104485
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はじめに
重度脳性麻痺児の治療目標は,ADLの自立にあるとして過言でない.患児の重症度の把握,治療方針の決定,予後の予測等において,ADLの評価は,最も重要な判断材料と言えよう.
しかし,ADLは,食事,排泄動作等をはじめ極めて多種多様な要素を含む概念である.ADL評価を行う際の最大の困難は,この複雑多岐にわたる内容を,いかにうまく簡潔に整理して重みづけを行うかという点にある.ただ漫然と項目を選び,機械的に得点を割りふっただけでは,評価得点の意味づけが不明確であり,得られた得点の再現性も乏しいものとなってしまう.この意味において,評価項目の捨取選択や得点割付けについての客観的基準ないし方法論の整備は,ADL評価法確立の上で不可欠といえる.
近年電子計算機の発達にはめざましいものがある.これに伴って,従来は膨大な計算量のため困難とされた種種の統計解析手法が,容易かつ安価に利用できるようになった.多次元尺度構成法もその内の一つである.これは,実際の患児から得られた多項目にわたるデータに対し,一定の統計処理を行い,その結果に基づいて客観的な総合評価尺度を作成しようとする一群の手法を指す.我々は,この中で最近繁用されている数量化理論第三類を主とし,さらに多変量解析も併用しながら,ADLの諸要素の統計学的検討,総合評価尺度の作成を試みた.この結果,一定の成果を挙げる事ができたので報告する.
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