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実践講座 リハビリテーションにおける研究の進め方
1.総論―リハビリテーションにおける研究の進め方
Research Methods for Rehabilitation Medicine.
中村 隆一
1
,
長崎 浩
2
Ryuichi Nakamura
1
,
Hiroshi Nagasaki
2
1国立身体障害者リハビリテーションセンター病院
2東京都老人総合研究所運動機能研究部門
1National Rehabilitation Center Hospital
2Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, Kinesiology Section
キーワード:
観測変数
,
潜在変数
,
脳卒中
Keyword:
観測変数
,
潜在変数
,
脳卒中
pp.545-549
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108126
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はじめに
被験者に床面10mの距離をできるだけ速く歩いてもらう検査がある.脳卒中を初めとする中枢神経系障害の患者だけでなく,高齢者においても,歩行能力を測定する簡便な検査として最近では広く用いられている.最大歩行速度は比率尺度であり,それだけ感度も良い.また,この検査の再現性も確認されている.
しかし,この検査は患者の何を測っているのだろうか.最大歩行速度を従属変数として,あるいは独立変数として用いるのか,どちらであろうか.いずれの場合にも,検査の枠組みとなる考え方をどのように設定しているのか.これらを意識的に検討することなしに,ただ便利な道具としてこの尺度を使うのであれば,この検査を研究の手段とすることはできない.その他の検査や尺度についても同じことが指摘されよう.そこで最大歩行速度の検査を例題として,リハビリテーション医学における研究の進め方を具体的に解きほぐしてみよう.
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