Japanese
English
講座 失語症の基礎と臨床
6.失語症の回復―急性期に失語症状の回復の予測は可能か?
Recovery from Aphasia: Prediction of Aphasia Outcome in Acute Stroke Stage.
原 寛美
1
,
堀内 哲吉
2
,
綿森 淑子
3
Hiroyoshi Hara
1
,
Tetsuyoshi Horiuchi
2
,
Toshiko Watamori
3
1相澤病院リハビリテーション科
2相澤病院脳神経外科
3広島県立保健福祉短期大学言語聴覚療法学科
1Department of Rehabilitation, Aizawa Hospital
2Department of Neurosurgery, Aizawa Hospital
3Department of Communication Disorders, Hiroshima Prefectual College of Health and Welfare
キーワード:
失語症
,
急性期
,
outcome
,
病型変化
,
FID CT
Keyword:
失語症
,
急性期
,
outcome
,
病型変化
,
FID CT
pp.537-544
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108125
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はじめに
脳卒中急性期リハビリテーションの普及のなかで,歩行をはじめとする起居動作レベルやADLについては発症後早期に機能ゴールの予測が論じられている.一方,失語症患者の言語機能は,片麻痺機能などに比してより長期にわたる改善傾向を示すために,急性期の少なくとも1か月以内に長期的な改善の予測を論じることは困難である場合が多い.しかし,急性期診療において,失語症を呈する患者の言語症状がその後どのように経過し,回復のパターンはどのようであるか予測することは,リハビリテーションのゴールと治療期間の設定上,さらに患者家族へのインフォームドコンセント上も避けて通れない課題である.
本稿では,失語症状の長期的転帰について文献的検討を行い,急性期に失語症の回復可能性を予測することができるか考察した.
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