Japanese
English
特集 大腿切断と義足の現状
最近の大腿義足膝継手
Prosthetic Knee Joints for Trans-femoral Prosthesis.
中川 昭夫
1
Akio Nakagawa
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター福祉のまちづくり工学研究所
1Assistech of Hyogo Rehabilitation Center
キーワード:
膝継手
,
立脚相制御
,
遊脚相制御
,
メカトロニクス
Keyword:
膝継手
,
立脚相制御
,
遊脚相制御
,
メカトロニクス
pp.31-37
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108568
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はじめに
義足の多くは通称で呼ばれることが多いため,その機能的な特徴が整理されていない場合がある.通称の例として,殻構造(外骨格)型と(内)骨格型,ヒンジ継手とブロック継手,単軸継手と多軸継手,モジュラーシステムと非モジュラーシステム,立脚相に働く機構と遊脚相に働く機構,そして,その両方に対して機能する機構などさまざまな呼び名がある.これらはいずれも異なった特徴について表しているもので,それぞれが対立する概念のものではない.また,例えば単軸継手と多軸継手のように,その構造の違いが本質的な機能の差を作るわけではなく,それらをうまく利用した設計によって機能に差が生まれるわけである.
さて,オットボックの3R15に代表される基本的で単純な機能を持つ膝継手の開発は一段落したようであるが,最近は,それらの特許切れによる同等機能の膝継手の製品化と,従来からの機能を拡張して義足使用者からより高い能力を引き出すことをめざず膝継手が製品化されている.それらを使用する義足使用者の歩行能力,運動能力や生活が著しく改善される例が示されるようになると,場合によっては教科書的な義足使用訓練や,義足を使用した生活のゴール設定までも見直す必要が示されつつあるようである.しかし,従来の義足部品に比較して調整が微妙であったり,部品の機能を十分に利用するための訓練方法にノウハウを必要とするなど,使用するためには正確な知識を必要とするようになってきており,常に新しい情報の入手に努めなければならなくなってきている.
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