Japanese
English
特集 患者家族の障害受容の問題
発達障害児家族の障害受容
Parents' Psychological Adjustments to their Children with Developmental Disabilities.
北原 佶
1
Tadashi Kitahara
1
1北九州市立総合療育センター
1Kitakyushu Sogo Ryoiku Center
キーワード:
発達障害
,
脳性麻痺
,
親の障害受容
,
ホスピタルショッピング
,
障害告知
Keyword:
発達障害
,
脳性麻痺
,
親の障害受容
,
ホスピタルショッピング
,
障害告知
pp.657-663
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107914
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はじめに
わが子が障害児であることが告知されたとき「病名や障害を言われたが,何のことか実感が湧かなかった」,「とにかく正常児ではないのだと思った」,「一生歩けないと思い,目の前が真っ暗になった」等々と,それぞれの親の受けとめ方は多彩である1-3).
障害児への親の心理的反応は,生直後から障害が明白な場合と生後しばらく育てた後に障害が明らかになる場合,第一子が障害児の場合と健常児を育てた経験の後の第二子以降が障害児の場合,また両親が過去に障害児・者に接したことがあるか否か,その時どのような気持ちをもったか,等々で異なったものとなる.さらには社会全体が障害児・者をどう捉え,日頃どう接しているかによっても親の障害児の受けとめ方は修飾される.障害児であるわが子の受け入れ方,適切な育児のあり方は個々の親の抱く育児観によっても大きく異なろう.
本稿では,肢体不自由児に限らず,発達障害児の親が,わが子の障害をどのように受け止めていくかの経過とその条件について,文献を参考にしながら,述べることにする.なお日常診療のなかで得られた親の話や態度から筆者が捉えた「障害を持ったわが子への親の心理的受け入れ・適応」が中心になることをお許し頂きたい.
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