Japanese
English
特集 障害児の成長・加齢に伴う問題点
発達障害児者
Problems around the growth and aging of people with developmental disorders.
橋本 大彦
1
Ohiko Hashimoto
1
1橋本クリニック
1Hashimoto Clinic
キーワード:
発達障害
,
加齢
,
変化
,
行動症状
Keyword:
発達障害
,
加齢
,
変化
,
行動症状
pp.821-826
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110616
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はじめに
発達障害―本稿では,広汎性発達障害〔自閉スペクトラム症(autistic spectrum disorder;ASD)〕,学習障害〔限局性学習症(learning disabilities;LD)〕,注意欠陥多動性障害〔注意欠如・多動症(attention dificit hyperactivity disorder;ADHD)〕以外に,知的障害〔知的能力障害(intellectual and developmental disability;IDD)〕も含めて考える―は,発達早期に始まり,その後生涯にわたって継続するものである.そして,ライフステージのなかで,その具体的な行動症状を変化させる.であるから,発達障害のある人にかかわる職種は,そのそれぞれの段階での状態像や,生活のなかで要求される能力をイメージしながらかかわっていく必要がある.しかしながら,これまで筆者は,幼少時期の療育にかかわっている専門家が療育を知らず,成人期の地域生活支援を行っている専門家が成人期を知らずという現実をみてきた.障害自体は,生涯続くものであるので,どの段階でかかわるものも,将来を見据えたり生活歴をイメージしたかかわりを行うことが望ましい.障害のある人の能力や生活圏を周囲が勝手に限定してしまうのは,夢のない寂しいことであるし,人権上も問題はあるが,同時に障害をもった人ができるだけよい状態で生活できるように,かかわる専門家には助言,誘導していく責務があると考えている.本稿が,そのような判断をする際の一助となれば幸いである.
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