Japanese
English
特集 患者家族の障害受容の問題
患者家族の障害受容と適応
Family Adjustments to the Severely Disabled.
本田 哲三
1
,
一戸 美代子
1
Tetsumi Honda
1
,
Miyoko Ichinohe
1
1東京都リハビリテーション病院
1Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
家族
,
適応
,
システムズ・アプローチ
Keyword:
家族
,
適応
,
システムズ・アプローチ
pp.651-654
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107913
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はじめに―障害者家族心理研究のながれ
リハビリテーション医療において,心理・社会的側面や家族の問題が注目されるようになったのは,1960年代からである1).
初期の先天性障害児の両親の心理を扱った研究はいずれも両親の罪悪感と過保護を取り上げている2).出生後の心理的変化については,成人中途障害のモデルである「段階理論」を援用する論文が多かった.この傾向は中途障害者の家族でも同様であった3).したがって,両者とも,現在段階理論一般で問題とされている蓋然性の有無の問題4)は同様に内包している.
しかし,これらの研究を通して,1)家族がリハビリテーション過程に重要な役割を担っていること,そして,2)障害が受傷前の家族内での役割を阻害すること,が明らかになった.
本稿では,わが国でおもに医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)によって実践されているシステム理論を中心とする家族療法アプローチを紹介し,家族の障害適応への一視点を提供する.
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