Japanese
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特集 職業リハビリテーションの最近の動向
重度障害者の就労問題―地域(共同)作業所の立場から
Employment Problems of Persons with Severe Disability: From A Standpoint of Community Workshops.
藤井 克徳
1
Katsunori Fujii
1
1共同作業所全国連絡会事務局
1Association of Community Workshops for Disabled Persons
キーワード:
共同作業所
,
授産施設
,
重度障害者
Keyword:
共同作業所
,
授産施設
,
重度障害者
pp.281-286
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107332
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はじめに
国際障害者年(1981年)以降の12年余,わが国の障害者分野において最も活発に展開された民間事業・運動のひとつに共同作業所の設置があげられよう.
共同作業所は小規模作業所ならびに地域作業所などとも呼称され.いわゆる法定外事業・無認可事業として運営されている.「法定外」や「無認可」という響きにはどことなく「もぐり」とか「勝手にやっている」という感じをイメージさせるものがある.しかし現実はそうではない.いまや成人期障害者にとっての現実的な社会資源,すなわち働く場(職業リハビリテーション),デイ・ケア的な活動の場となっている.共同作業所設置運動の初期段階においては知的障害渚ならびに肢体不自由者を主対象としていたが,昨今(特に1980年代前半以降)では精神障害者や脳血管障害などによる中途障害者,内部障害者など,利用者の障害の範囲が大きく拡大されつつある.また全体として障害程度が重くかつ重複している者が利用者の相当数を占めている傾向にある.
共同作業所のなかには健康増進や社会教育的な活動に重点を置いているところもあるが,その多くは活動の主柱に労働=作業活動を位置づけ,職業リハビリテーション分野の一翼を担うものになっている.
以下,共同作業所の実態ならびにそこでの活動の実際,今後の課題などについて,職業リハビリテーションの視点から述べてみたい.
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