特集 障害者自立支援法をめぐって
それぞれの立場から
共同作業所の立場から
藤井 克徳
1
1きょうされん
キーワード:
応益負担制度
,
障害自己責任論
,
法定事業の無認可化
Keyword:
応益負担制度
,
障害自己責任論
,
法定事業の無認可化
pp.746-748
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100354
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はじめに
障害者自立支援法(以下,自立支援法)とは一体何であったのか.端的に言うならばそれは障害者福祉政策とは言い難く,「障害者財政政策」と言い切ってよかろう.現に厚労省幹部は,「羊かんの大きさは変えられない,切り方を変えるだけ」と,法案浮上の前後からこうした財政抑制をほのめかす見解を繰り返してきた.いかに理念が高邁であろうが,制度設計が立派に見えようが,正当な財政的な裏打ちがない限り,それらは歪められてしまうのである.
筆者に与えられたのは,共同作業所の立場からの論述であるが,余りにも基本的な問題点が多く,紙幅の多くをこれに費やせざるを得ない.もし,以下に掲げる基本問題を放置するならば,それこそ取り返しのつかない事態を招くに違いない.リハビリテーションの視点からしても,重大な問題として受け止めるべきである.「3年後見直し規定」(附則第三条一項)が設定されてはいるが,これを待つまでもなく既に顕在化している問題点の解消を含めて,緊急に手直しに着手すべきである.
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