Japanese
English
特集 職業リハビリテーションの最近の動向
精神発達遅滞者のための職能評価・訓練
Pre-vocational Evaluation and Training for the Mental Retardations.
松田 啓一
1
,
井上 かおる
1
,
川連 潤
1
Keiichi Matsuda
1
,
Kaoru Inoue
1
,
Jun Kawatsure
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
長期評価
,
短期訓練
,
就労形態
Keyword:
長期評価
,
短期訓練
,
就労形態
pp.287-292
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107333
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はじめに
横浜市総合リハビリテーションセンターでは「職能訓練コース」という名称の法外施設を設置し,昭和62年の開所以来,精神発達遅滞者を主たる対象に職能評価・訓練を実施している.
本稿では,まず「織能訓練コース」が現行のサービス体系の中でどのような役割を果たすことを目的とし,そのためにどのような体制で評価・訓練を実施しているかを述べる.そして,それを前提として「職能訓練コース」が当初の目的どおり機能しているかを利用者の状況を分析することによって検証する.これはそのまま精神発達遅滞者のための職能評価・訓練における長期評価,短期訓練の必要性の検証でもある.
なお,文中では一貫して「評価・訓練」という語を使用したが,これらの語は“専門家が一方的に障害者の進路を判断する”といった印象を喚起しやすいのも事実である.元より「職能訓練コース」が示す判断,つまり評価結果は利用者を拘束するものではない.利用者に対する一つの提案に過ぎず,その提案を採用するか否かは言うまでもなく利用者の判断に委ねられている.利用者にとって「評価」とは自己能力の“体験”であり,「訓練」とは“実績づくり”の機会であると規定できよう.文中の「評価・訓練」はこのような意味のものとして理解されたい.
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