Japanese
English
紹介
「パーキンソン病教室」の運営経験
Team Approach for Parkinson's Disease Patients.
北村 純一
1
,
三崎 純司
2
,
大仲 功一
2
,
岡内 章
2
,
小林 充
2
,
出倉 庸子
2
,
山口 明
2
,
増田 国雄
2
,
佐藤 福志
2
,
山勝 裕久
2
,
宮本 冬陽子
2
Jun-ichi Kitamura
1
,
Jun-ji Misaki
2
,
Ko-ichi Ohnaka
2
,
Akira Okauchi
2
,
Mitsuru Kobayashi
2
,
Yoko Dekura
2
,
Akira Yamaguchi
2
,
Kunio Masuda
2
,
Fukushi Sato
2
,
Hirohisa Yamakatsu
2
,
Toshiko Miyamoto
2
1国立秩父学園医務課
2国立精神・神経センター武蔵病院リハビリテーション科
1Division of Medicine, Kokuritsu Chichibu Gakuen
2Department of Rehabiliaion, National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorders, National Center for Neurology and Psychiatry
キーワード:
パーキンソン病
,
チーム・アプローチ
Keyword:
パーキンソン病
,
チーム・アプローチ
pp.327-330
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107053
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はじめに
パーキンソン病は本邦での報告によると,人口30万人ぐらいの中都市では150人前後の患者がいると考えられ1),リハビリテーションの分野では脳血管障害についで治療の対象となることの多い中枢神経疾患である.
その障害の特徴は無動症,固縮,そして振戦の3徴に加えて,易転倒性,構語障害,自律神経症状(便秘,流涎や脂顔など)や“うつ症状”など多彩な症状を呈し,またL-ドーパなどの治療薬に伴う副作用と考えられる低血圧や幻覚などがある.内服後短時間は症状は改善するが,薬効時間は短縮してしまうwearing-off現象や,血中濃度とは関係なく突然に症状が増悪したり改善したりするon-off現象などが出現する,長期治療に伴う長期L-ドーパ症候群を呈する患者が増加している2).このような様々な症状を呈するために,パーキンソン病患者には種々の職種が協力して対応(チーム・アプローチ)する必要がある.また,共通した障害に対しては集団でのレクリエーションや運動療法を行ったほうが効果的な場合も多い.
このように種々の症状をもち,かつある一定数の患者数が存在し,集団訓練が可能であるにもかかわらず,パーキンソン病患者に対するそのような取り組みの報告3)は少ない.我々は運動訓練を中心にパーキンソン病患者の集団訓練を行ってきたが,その後様々な職種の協力による運営へと方針を変更し,3年半の「パーキンソン病教室」での経過と経験を得たので,他施設でも同様のパーキンソン病教室やその他の神経・筋疾患のデイ・ケアの運営の参考にしていただくことを目的に,これまでの経験を報告する.
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