巻頭言
「死」について考えること
笠原 とし子
1
1東原整形外科病院
pp.1125
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106957
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「命あるものは必ず死す」,医学がどんなに進歩しても死は必ず訪れ,避けることができない.私たちはこの世に生まれおちたときから出会いと別れを繰り返し,人生は喪失体験の連続であるといわれている.しかし,何とかして少しでも長生きしたいと思うし,愛する人々に少しでも長生きして欲しいと思うのは,私だけではなかろう.
最近の医学の進歩に伴い,「死」はいろいろな問題を投げかけてきている.例えば,臓器移植における脳死,延命治療と尊厳死,Living Will,DNR(do not resuscitate)などがある.リハビリテーション医療に従事してきた私は,幸いにもそう多くの死に直面してきたわけではないが,以上の問題は患者さんだけの問題ではなく私自身の問題でもある.
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