今月のニュース診断
「死を選ぶ」子どもの権利を考える
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部法哲学・生命倫理
pp.1018-1019
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902298
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オランダの安楽死
オランダ政府が提案した安楽死法案が議論を呼んでいる。オランダは1993年に「埋葬法」を改訂し,医師が患者に致死的な薬物を処方・注射しても罰せられない道をつくった。このような法律は,これまで米・豪の,いくつかの地域で立法が試みられているが,現在,オランダだけが,医師による安楽死を認める国となっている。
もちろん実施にあたっての要件は厳しい。①患者の肉体的あるいは精神的苦痛が耐え難く(ただし終末期である必要はない),②その苦痛が取れる見込みがなく(ただし不治の病である必要はない),③十分な情報に基づく患者の自発的要請があり,④患者は最低1名の他の医師の診察を受け,⑤医師は経過の記録と変死届等を検視官に提出する…等。
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