特集 いま私たちに求められているもの
随想/私にとってのこの一年
"死に生きる"を考えて
松田 光子
1
1山形県天童市役所
pp.1058
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207439
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今年の6月,主人の兄嫁がガンで44歳の若さで亡くなりました。2年前にガンが発見され,手術したものの既に転移が認められる状態でした。予想はしていましたが,奇跡を信じる気持ちもあり,いざ亡くなってみるとショックでした。主治医のすすめと本人の意志で,最後まで働き続け,いよいよ黄疸がひどくて入院,40日目で亡くなるという,あっ気ないものでした。この2年間の経過の中で,私も個人として,看護者として考えさせられました。
死は誰も免れないものです。突然にやってくることもあります。どのように死を迎えるのかが,今生きることと同様に大切なことで,その人の生き方の集大成にもなるものだと思いました。去年の全国保健婦学術研究会で記念講演なされた,デーケン教授(上智大学)の説く"死の準備教育"が本当に必要だと思います。
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