連載 働く人と健康・17―過労死・自死相談センター代表の立場から③
過労死の予防対策を考える
上畑 鉄之丞
1
1過労死・自死相談センター
pp.504-508
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101827
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90年代後半,学会委員会提言とその背景
前号で紹介した日本産業衛生学会の「循環器疾患の作業関連要因検討委員会」の報告書「職場の循環器疾患とその対策」をめぐる経過を紹介する.この報告は今日でも十分通じる内容でもあるが,当時,大企業に勤務する産業医グループから痛烈な批判を受けたいわく付きのものである.
発端は,過労死の労災認定や予防に関心を持つ学会員有志が1991年,理事会に設置を提案したことに始まる.提案は翌年学会理事会で承認され,1992年に委員会が設立された.メンバーは,学会地方会や関連委員会から推薦を受けた学会員を中心に20人で構成,大学などの研究者,企業の産業医,中小零細企業労働者の健診や健康管理に従事する勤務医などで,労働組合機関の産業医も1名加わった.
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