特集 医療・介護ニューディール
雇用とセーフティネットの相関
藤井 英彦
1
1株式会社 日本総合研究所 調査部
キーワード:
雇用
,
セーフティネット
,
フレキシキュリティー
,
積極的雇用政策
Keyword:
雇用
,
セーフティネット
,
フレキシキュリティー
,
積極的雇用政策
pp.624-627
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101502
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■わが国の雇用情勢
雇用情勢が一段と悪化している.本年4月の完全失業者数は346万人に達した.過去最悪となった2003年4月の385万人まで,残りわずか39万人である.さらに求人動向を見ると,現下の情勢が未曾有の深刻な事態であることが鮮明に現れ始めている.まず有効求職者数を有効求人数で割った有効求人倍率は,本年4月,0.46倍と過去最低となった.さらに注目すべきは,パート労働の分野である.従来,正規雇用から非正規雇用への転換が進む中,雇用調整期でもパート労働の求人は多く,過去30年間にわたりパート労働で求人倍率が1倍を下回った月はない.しかし今回は,本年2月に0.93倍と1倍を割り込んだ後,3月0.85倍,4月0.78倍と,パート労働の求人倍率も月を追って急速に悪化している.
こうした深刻な事態を受け,政府は本年4月,追加の経済対策となる経済危機対策を発表し,その中で雇用対策を,景気底割れを回避するための短期的な危機回避策として経済対策の第一の柱と位置付けた.
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