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はじめに
慶応義塾大学医学部リハビリテーション科の卒後教育研修システムは,昨年の本誌2月号のリハビリ医学教育の特集で紹介したように1),前期2年の研修医と後期4年の専修医の併せて6年間の研修期間から成り立っている(表1).前期研修医の間には,主に慶応義塾大学病院でリハビリ医学の基礎を学ぶと共に,神経内科,呼吸・循環器内科,整形外科など関係各科へのローテーションが組まれている.後期専修医のプログラムにはいると,関連病院での研修が中心となり,リハビリ専門病院のほか,脊髄損傷,筋ジスなどそれぞれ特徴のある2~3の病院へ1~2年間の期間で出張するようになる.
慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター(以下月が瀬リハセンターと略す)は,設備・スタッフの面から現時点では関連病院のうちもっとも充実したリハビリ専門病院であるため,専修医の出張研修機関であるばかりでなく,しばしば前期研修医もリハビリ医学の臨床に接するため,4~6カ月の短期で出張してくる.そのため月が瀬リハセンターには常に2~3名の研修医ないし専修医が勤務することとなり,本大学での当センターの卒業教育に占める役割は極めて大きい.各種疾患に偏りのない“general rehabilitation”を目指すことが,当科の卒後教育の基本方針であり,月が瀬リハセンターもこの線に沿って教育研修を実践している.しかしながら当センターの地域性・現在の疾病構造などから脳卒中の患者が常時50~60名入院しており,必然的に脳卒中のリハビリの比重が高くならざるを得ない.
以下に月が瀬リハセンターでの研修プログラムについてその概略を述べるが,特に脳卒中に限定せずに全般に渡って紹介したい.しかしながら,殆どの研修プログラムは脳卒中のリハビリに関与したものとなっているために関係各位の参考になると考えている.また脳卒中に関する当科の卒後教育には,神経内科・循環器内科での研修も含まれているが,今回は紙面の制約もあり月が瀬リハセンターでの研修のみについて言及する.
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