Japanese
English
特集 骨代謝の基礎医学とリハビリテーション
骨粗鬆症のリハビリテーション
Rehabilitation of Osteoporosis.
森 英二
1
,
木村 彰男
1
,
千野 直一
1
Eiji Mori
1
,
Akio Kimura
1
,
Naoichi Chino
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
骨粗鬆症
,
運動療法
,
体幹伸筋筋力
Keyword:
骨粗鬆症
,
運動療法
,
体幹伸筋筋力
pp.25-29
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107268
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
高齢化社会が急速に進行するなかで,骨粗鬆症は医学的にも社会的にも大きな問題となっている.立位歩行を行う人間にとって,骨粗鬆症により生じる脊椎の後彎変形や圧迫骨折による痛み,さらには大腿骨頸部骨折は歩行を困難とし,活動性を著しく低下させて“寝たきり”の原因となるからである.
最近では,DEXA(dual energy X-ray absorptiometry,二重エネルギーX線吸収法)などの骨塩量測定装置によって骨粗鬆症の早期診断と治療効果の判定が可能となり,若い頃からの適切な栄養摂取と運動による予防および早期治療の重要性が叫ばれている.しかし,現時点では,残念ながら医療機関を訪れるのは大部分が既に腰痛や骨折などの合併症を発症してしまった患者である.
日本では脊椎の後彎変形や圧迫骨折を起こす患者は多いが,欧米と比べて人種や生活様式の違いのためか大腿骨頸部骨折は頻度が少ないといわれている1).そこで,本稿では主として脊椎の症状で発症した患者に対するリハビリテーションの考え方と実際を述べることにする.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.