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はじめに
横浜市大病院リハビリテーション科は,総合病院(大学病院)の一診療科であり,10床の専有ベッドを有している.当科の入院,外来部門で扱っている患者の障害は,多岐にわたっているが,このうち切断の占める割合は入院患者の6~10%,外来患者の5~6%程度と(その大多数は下肢切断である),非常に数少ない.しかし,脳卒中片麻痺等,中枢神経の障害が主流をなしている現在のリハ医学においても重要な一分野であることはいうまでもない.我々は,入院部門で切断のリハ(狭義の)を,外来部門では「義肢・装具クリニック」として,退院後のfollow up,義肢の管理を行っているが,これらは,我々の教育・研修の場でもある.リハ医学の教育という観点からは,当科のカリキュラムについては,すでに大川らが紹介してきた(表1).ここで,今回のテーマである「切断と義肢」について着目してみると,卒前教育の段階では全学生が対象であること,時間数の制約などのため,リハ医学総論や障害学が中心となり「切断と義肢」については,その紹介が目的となる.具体的には,講義と臨床実習における実際の症例の診察や訓練の見学である.卒後教育については,まず,研修医に対するもので,切断の基本的なリハプログラムを学ぶことが目的である.
具体的な内容は,指導医とともに,入院,外来患者の受け持ちとなること,講義,施設見学等であるが,本学の研修システムが,ローテーション制をとっているためリハ科研修医のすべてが,将来リハを専門にするわけではなく,カリキュラムの内容にも幅をもたせざるを得ない.次に,リハ専門医をめざす者に対しては,前述の段階をふまえて2~3年の期間を目安に,切断リハチームのリーダーとしての役割を果たせること,切断者の生涯を通じて,義肢等による機能代償を果せることを目標とする.表2に当科における切断のリハの流れを示した.以下,これを参考に「切断と義肢」を学ぶに際してチェックすべき項目をまとめた.
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