書評
Jill S. Steefel: Dysphagia Rehabilitation for Neurologically Impaired Adults 柴田貞雄(国立身障リハセンター)監訳―嚥下障害のリハビリテーション―訓練と食餌計画の実際―
近藤 克則
1
1国立療養所東京病院理学診療科
pp.198
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106022
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嚥下障害は,生命維持にかかわる重要な障害でありながら,リハビリテーション医学のなかでも比較的新しい領域であり,それへの治療的アプローチも確立しているとは言い難い.そのため,嚥下障害が予想される患者に液体を無造作に与えるという危険なことが,家族によってだけでなく,医療スタッフによってすら行われているのが実状ではなかろうか.今までの嚥下についての成書といえば,障害児に対する摂食指導に関するものに限られていたことも,その一因であろう.
本書は,言語療法士である著者が,成人の神経疾患患者の嚥下障害に焦点を絞りまとめた本である.第Ⅰ部「基礎」は,嚥下の生理と嚥下障害の問題点についてコンパクトにまとめてある.
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