講座
妊婦の食餌(Ⅱ)—都市妊婦の食餌の調査
塚本 胖
1
1松下病院産婦人科
pp.28-36
発行日 1955年8月1日
Published Date 1955/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200900
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まえがき
前号で農村妊婦の食餌に就いて概説しましたが,今回は都市妊婦の調査成績に就いて述べましよう.
食餌調査で真の栄養摂取量を知ることは,仲々容易ではなく,又,栄養摂取の傾向も食餌習慣,労働,体質,嗜好等で非常に違うことも当然で,実際に食餌調査をする場合には調査対象の選択,調査方法等を愼重に考慮することが大切で,無計画的に,やたらに多数例について調べても,その成績には余り意味がありません.都市妊婦でも,出来るだけ正確に栄養摂取量を知る目的で,秤量法を応用し,長期間に亘り連日摂取量を観察することを主眼とする一方,記載法の調査成績には,どの程度の信頼性があるのかを,秤量法を同時に施行してその成績を比較検討し,又,記載法で正確な成績を期するためには記載方法,更にはその分析法にどの様な考慮を払う必要があるかも調べて見ました.
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