Japanese
English
講座 言語障害の評価(4)
失語症の評価
Assessment of Aphasia.
竹内 愛子
1
Aiko Takeuchi
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター,七沢病院言語科
1Nanasawa Hospital, Kanagawa Rehabilitation Center.
キーワード:
失語症検査
,
診断
,
リハビリテーション
Keyword:
失語症検査
,
診断
,
リハビリテーション
pp.809-820
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105265
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はじめに
GoodglassとKaplan1)は失語症検査の目的として,①失語の有無とタイプを診断し,損傷部位の局在についての推測を導くこと,②言語能力のレベルを広範囲に測定し,初期の状態を把握するとともに,時間経過に伴う変化の発見に努めること.③すべての言語領域にわたって,患者の残存能力と失われた能力を評価し治療の手がかりを得ること,の3項目をあげている.この主張の中には,失語タイプと損傷部位の対応に関する推論のように,いわゆる古典論の失語症観に立つ彼らの立場を表明した項目もあるが,総体的にみると失語症検査の目的は,この主張から大きく①鑑別診断のための評価と②リハビリテーションのための評価の2側面に分類することが出来る.
各種の失語症検査法は,これらの目的に沿って作製されてきているが,特に最近の20年間における,国の内外での失語症検査法の開発にはめざましい成果がみられている1~12).
本稿では,こうした失語症検査法の中からいくつか代表例を概観するが,具体的な検査過程はそれぞれの検査法の成書にゆずることとし,ここでは,失語症評価の2つの目的に沿って,作表的な検査法を紹介しながら,失語症評価にかかわる問題点を検討したい.
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