Japanese
English
研究と報告
慢性期頸髄損傷者の排便管理
Bowel Control for the Patient with Cervical Cord Injury in Chronic Stage.
岡島 康友
1
,
野間 清邦
1
,
石田 暉
2
,
千野 直一
3
Yasutomo Okajima
1
,
Kiyokuni Noma
1
,
Akira Ishida
2
,
Naoichi Chino
3
1国立療養所箱根病院
2東海大学医学部リハビリテーション科
3慶応大学医学部リハビリテーション科
1National Hakone Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University Hospital.
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University Hospital.
キーワード:
頸髄損傷
,
排便管理
Keyword:
頸髄損傷
,
排便管理
pp.367-370
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105594
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はじめに
排便管理は排尿管理と並び,脊損者にとって重要な課題である.特に頸損者では排便動作・浣腸使用などが能力的に自立し得ない例もあり問題となる.当院では従来より慢性期頸損者の排便管理に関して次の事を行ってきた.すなわち
①便失禁をなくすることを最大目標とする.
②排便方法は坐薬使用を基本とするが排便反射の起こりにくい者,硬便の者には,下剤内服を併用したり,浣腸に変更する.
③排便間隔は前院での頻度を参考にするが,失禁が起こる場合や腹部不快・食欲不振・自律神経過反射・排便後脱力などが生じる場合には漸次短かくする.
④下位頸損者は補高便器,体幹支持板などを用いて便器移乗を,また坐薬挿入自助具を用いて排便操作を自立させる.
今回,これらの方針の妥当性,排便方法と頻度の決定因子や排便自立のための条件などを調べるべく,当院退院後の頸損者を追跡調査し得たので,若干の考察とともに報告する.
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