Japanese
English
特集 脳卒中片麻痺のリハビリテーション
脳卒中片麻痺患者の機能とCT
Relationship of CT-scan Findings and Functional Prognosis of Hemiplegia in Stroke.
今村 義典
1
,
緒方 甫
1
,
浅山 滉
1
,
森田 秀明
1
,
宮原 恵子
1
,
大隈 秀信
1
Yoshinori Imamura
1
,
Hajime Ogata
1
,
Ko Asayama
1
,
Hideaki Morita
1
,
Keiko Miyahara
1
,
Hidenobu Ookuma
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health.
キーワード:
片麻痺
,
機能的予後
,
CT
Keyword:
片麻痺
,
機能的予後
,
CT
pp.687-692
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105240
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緒言
脳卒中後片麻痺患者の機能的予後を早期に推測することは,リハビリテーション治療のプログラムを遂行する上で重要な課題である.
そのため,従来の診断学にあわせCT scanの利用も,脳卒中の病型の正確な診断を可能にし,病巣を容易に検索することが可能であることから,障害部位と臨床症状の解明を行い,さらに機能的予後を推定することが可能になってきている.
しかし,脳卒中による病変は,急性期より経時的に変化することが既に多数報告されている.病巣と脳組織の障害程度の推定,また当然,付随する循環動態や脳代謝状態等の機能的側面の解明が必要になっている.最近の補助的診断法の発達は,Positron Emission CT(PET),Nuclear Magnetic Resonance CT(NMR-CT),Regional Cerebral Blood Flow(R-CBF)などと日進月歩の勢いで進歩している.これらの情報を参考にCT所見に示される病巣と脳機能との相関が,さらに解明されることが期待される.しかし,一般に普及率の高いCT scanの活用により,多くの情報を得て,臨床症状との対比から脳機能障害を判断し,予後を予測しリハビリテーション治療の補助とする必要がある.
著者らの症例から,1)片麻痺患者の機能の全体像として体幹機能などに問題がありADL評価からみて不良であった例.2)片麻痺患者の歩行機能を中心に筋緊張異常,異常運動から,足部変形に問題の起った例の2症例群についてCT所見との関連性について検討し,形態上から判断される予後についての機能的診断の側面と,CT診断の問題点について論述する.
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