Japanese
English
特集 姿勢調節
脳卒中後片麻痺の姿勢調節
Postural Control of Upright Standing Position in Hemiplegia.
森田 秀明
1
,
緒方 甫
1
,
浅山 滉
1
,
今村 義典
1
Hideaki Morita
1
,
Hajime Ogata
1
,
Ko Asayama
1
,
Yoshinori Imamura
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health.
キーワード:
片麻痺
,
立位バランス
Keyword:
片麻痺
,
立位バランス
pp.101-107
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105324
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はじめに
脳卒中後片麻痺患者のリハビリテーションゴールの中で起立歩行能力の確立は,日常生活動作にとって最も重要な事の一つであり,その基本的姿勢である立位姿勢訓練は,比較的早期からなされる.この訓練1)は,陽性支持反射を誘発し,抗重力筋の協調や筋力増強に役立ち,姿勢反射を賦活して立位バランス能力を強化し,全身的には起立性低血圧の調整などにも作用して,歩行能力獲得につながる.
ヒトがこの立位姿勢を保持する時,姿勢調節機構が作用して,直接的には姿勢反射の効果である抗重力筋の張力が変化した結果,重心動揺が生じるとされている.その反射活動は,中枢神経系内の統合作用により統合された協調運動となって姿勢を一定に保っている.脳卒中後片麻痺の場合,中枢神経系が障害されているので,当然姿勢反射の表徴である重心動揺に変化をきたしている.
ここでは,片麻痺者が立位姿勢を保持する時,どのような姿勢制御がなされているかを論述する.
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