Japanese
English
特集 脳卒中リハビリテーションのトピックス
脳卒中片麻痺の廃用性筋萎縮
Disuse Muscle Atrophy in Hemiplegic Patients.
田中 宏太佳
1
,
緒方 甫
2
,
蜂須賀 研二
2
Hirotaka Tanaka
1
,
Hajime Ogata
2
,
Kenji Hachisuka
2
1東京労災病院リハビリテーション診療科
2産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation, Tokyo Rosai Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
片麻痺
,
筋力低下
,
筋萎縮
Keyword:
片麻痺
,
筋力低下
,
筋萎縮
pp.1127-1131
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106958
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はじめに
廃用症候群は過度の安静や不動により生じる各種の病的状態の総称であり(表11)),廃用により生じた筋萎縮が廃用性筋萎縮である.廃用性筋萎縮は以前からよく知られており,脳卒中片麻痺のリハビリテーションにおいて最も重要な病態の一つである.
我が国では片麻痺のリハビリテーション・プログラムを考える際に,神経生理学的アプローチの影響を多分に受け,麻痺側上下肢の機能回復をより重視する傾向があった.一方,Hirschbergは2),片麻痺患者の運動能力および身の回り動作の自立が遅れるのは,麻痺した上下肢に随意運動がある程度回復しなければ運動や身の回り動作の機能を回復できないという誤った概念によることが多いと指摘して非麻痺側の廃用防止を強調しており,リハビリテーション開始の遅延が最終自立度の悪化を招く最大の原因であり,廃用症候群の重要性は最近特に見直されてきている3).
廃用症候群は古くて新しいテーマであり,片麻痺のリハビリテーションの根幹をなす問題の一つでもあるので,臨床的立場から脳卒中片麻痺の廃用性筋萎縮に関する2,3の疑問点に関して自験例を加えながら概説する.
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