Japanese
English
特集 疼痛とリハビリテーション
脳血管障害と中枢性疼痛
Central Pain in Cerebrovascular Diseases.
今村 義典
1
,
緒方 甫
1
,
森田 秀明
1
,
井上 和宏
1
Yoshinori Imamura
1
,
Hajime Ogata
1
,
Hideaki Morita
1
,
Kazuhiro Inoue
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health.
キーワード:
視床痛
,
中枢性疼痛
,
脳卒中
Keyword:
視床痛
,
中枢性疼痛
,
脳卒中
pp.173-178
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106472
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はじめに
脳血管障害後に痛みを伴う異常感覚が出現することがあることは,よく知られている.この症状の出現の仕方についても脳血管障害が激烈な疼痛発作やシビレ感で発症する例や,発作後数カ月経って異常感覚が出現してくる例などがある.また,これらの異常感覚は自覚的に一定した疼痛ばかりでなく,ズンズンした痛み,ビリビリしたシビレ感,鈍痛,腫れた感じ,膜を被った感じ,突っ張りや強張った感じ,チクチクした感じ,灼熱感,冷たい感じ,疼きなどのように多種多様である.外因的な刺激によって起こるParesthesiaやHyperpathia,または,自発的に発現するDysesthesiaの形をとり,その不快感はリハビリテーション治療における阻害因子ともなっている1~4).
これらの疼痛を伴う異常感覚については,視床痛,視床症候群,中枢性疼痛として臨床および病理学的に報告されているが,その発現機序については不明である.また,その治療についても鎮痛剤に反応しがたいなどの困難な問題が知られている.そこで,著者らは中枢性疼痛を伴う異常感覚を呈した症例について臨床所見とCT所見の検討および治療について述べ,病理学的およびSEP等の所見についての文献考察を行った.
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