Japanese
English
特集 脳卒中片麻痺のリハビリテーション
脳卒中片麻痺患者とEmission CT
Post-stroke Hemiplegic Patients and Emission CT.
牧下 英夫
1
,
宮坂 元麿
1
,
谷崎 義生
2
,
藤田 勉
3
Hideo Makishita
1
,
Motomaro Miyasaka
1
,
Yoshio Tanizaki
2
,
Tsutomu Fujita
3
1鹿教湯病院神経内科
2鹿教湯病院脳神経外科
3鹿教湯病院内科
1Department of Neurology, Kakeyu Hospital.
2Department of Neurosurgery, Kakeyu Hospital.
3Department of Medicine, Kakeyu Hospital.
キーワード:
脳卒中
,
ADL
,
Single Photon Emission CT
Keyword:
脳卒中
,
ADL
,
Single Photon Emission CT
pp.679-686
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105238
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はじめに
脳卒中の診断・治療はX線CTの開発普及によりめざましい進歩を遂げた.しかし現在脳血管障害の病態生理の検索には脳血流・代謝測定が不可欠なものになりつつある.
1945年Kety and Schmidt1)がN2O法を用いて初めてヒトの定量的全脳血流測定を行い,Lassen and Ingvar2)はXe-133クリアランス法を用いた局所脳血流測定法を開発し,以来急速に脳血管障害の病態把握に進歩がみられた.しかしこの二次元的測定法は頭蓋外におかれたマルチプローブにより脳内放射性同位元素(RI)を測定するため,脳表に近い灰白質血流の測定にとどまり,深部脳組織の血流動態の把握はできない.また反対側大脳のRIの影響(crosstalk)や,病巣周辺組織のRIの影響(look throgh)を受けやすい.この欠点を補うため,断層面で脳血流分布を把握する三次元的測定法が開発された.それには,非放射性Xeを用いたX線CT3),Xe-133でのsingle photon emission CT(SPECTと略す)4),そして代謝測定も可能なpositron emission CT(PETと略す)5,6)などがある.
本稿では,著者らの行っているSPECTによる脳血流測定法と正常像そして脳卒中患者での実例を示し,脳血流測定で何が分るかを紹介する.次いで機能的検査法としてのactivation studyと,著者らの行ったADL予後予測にSPECTがどのように役立つかについて述べたい.
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