巻頭言
心疾患のリハビリテーション
竹内 馬左也
1
1東京大学医学部
pp.419
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105176
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私が心疾患のリハビリテーション(リハ)に関心をもち始めたのは,宇宙飛行士の心電図をテレメータリングしていることを知り,その頃わが国でも臨床的に心電図のテレメータリングが何んとか可能になった時である.それは1960年(昭和35年)頃のことであるが,その頃にはトランジスタの開発も盛んになり,発信機も大分小型化されていたが,まだ温度などの変化に弱く,苦労しながら心電図を記録したものである.それまでは主として静的状態での心電図がとられていたが,テレメータリングを用いると無拘束の状態で日常労作中の変化を観察できるので,心疾患患者の管理に非常に都合がよいと考えたからである.
1963年に日本リハビリテーション医学会が創立され,この中には当然心疾患のリハも含まれていたのであるが,日本では心疾患のリハはどちらかというと循環器学会関係を中心に発展した感があり,日本リハ医学会では心疾患に関する演題は非常に少なく,さらに多くの方々の参加を期待しているところである.
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