特集 非がん疾患に対する緩和ケア
症状アセスメントとマネジメント
苦痛の評価
戸谷 幸佳
1
1群馬県立県民健康科学大学看護学部看護学科看護技術学教育研究分野
キーワード:
苦痛
,
主観的評価
,
客観的評価
,
総合的評価
,
尺度
Keyword:
苦痛
,
主観的評価
,
客観的評価
,
総合的評価
,
尺度
pp.181-183
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_181
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Summary
▪緩和ケア期の患者にはさまざまな苦痛が生じる.
▪苦痛の主観的評価は,主に患者の言語的な表出を基に行うため認知機能・意識レベルの低下した患者や小児などでは困難な場合もあるが,質問の仕方を工夫する(オープンクエスチョン・クローズドクエスチョン),環境を整える,フェイススケールなどのわかりやすい手段を用いるなど,工夫して可能な限り聴取できるように努める.
▪主観的な苦痛の表出には,医療従事者や家族に対する患者の遠慮・気兼ねが影響することにも留意する.
▪客観的評価には医療従事者の観察のみならず,家族やケアに関わる人々からの情報も十分に活用する.
▪客観的評価には終末期に出現しやすい苦痛症状の評価尺度や,身体・心理両方の側面を総合的に評価する尺度を用いることも有用と考える.
▪苦痛の総合的評価には患者の主観的評価と患者に関わる人々が行う身体・心理面の客観的評価を基に行うことが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021