Japanese
English
研究と報告
脳卒中患者の障害の構造の研究―(第2報)機能障害の構造および機能障害・年齢と能力障害との関係の研究
Structure of Impairments and Disabilities in the Stroke Patients.: (Ⅱ)Structure of Impairments and its Relationship to Walking Ability.
二木 立
1
Ryu Niki
1
1代々木病院理学診療科
1Dept. of Rehabilitation Medicine, Yoyogi Hospital.
キーワード:
脳卒中
,
障害の構造
Keyword:
脳卒中
,
障害の構造
pp.557-569
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104993
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
第1報では,脳卒中患者の多様な障害のうち,片麻痺と起居移動動作能力(の障害)に限定して,それぞれの回復過程と両者の相互関係を検討した.
片麻痺は機能障害の中核を占めるが,その他の機能障害(意識障害,痴呆,左半側空間失認等)も,脳卒中患者の起居移動動作能力の回復に重大な影響を与える.しかし,第1報でも指摘したように,従来の報告は,ほとんど,リハビリテーション開始時の機能障害(「リハビリテーション阻害因子」)と終了時の能力障害(主として歩行能力)との関係を,間接的に検討しているにすぎない.それに対して,機能障害全体と能力障害との関係が,発症直後からどのように変化するかについて検討した報告はほとんどみられない.また,機能障害の内部構―片麻痺を中心とした運動障害とその他の機能障害との関係,およびそれに年齢が与える影響等―を総合的に検討した報告も意外も意外に少ない.
そこで,この第2報では,これらの諸点を明らかにすることを目的として,先ず運動障害以外の機能障害の頻度,それらと運動障害(片麻痺等)・年齢との相互関係,およびそれらの発症後変化を検討する.次に,機能障害と起居移動動作能力との関係(個別的,全体的)の発症後変化,およびそれに年齢が与える影響を,相関分析法,重回帰分析法等をも用いて検討する.なお,起居移動動作に身の回り動作を加えた能力障害全体(あるいは日常生活動作全体)の検討は,第3報で行う.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.