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特集 中枢神経障害のリハビリテーション
トピックス
脳卒中患者の性機能障害
Sexual Dysfunction in Stroke Patients.
川平 和美
1
Kazumi Kawahira
1
1鹿児島大学霧島リハビリテーションセンター
1Department of Rehabilitation and Physical Medicine, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
脳卒中
,
性機能障害
,
性生活指導
Keyword:
脳卒中
,
性機能障害
,
性生活指導
pp.1207-1212
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108514
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はじめに
脳血管障害による性機能障害の内容は,これらの疾患が多い中高年者の性意識や脳卒中発作前の性機能と密接に関連しており,今後の高齢化社会ではそれへの理解と対応はますます重要となる.
海外では性活動をQOLに影響する要因として重視する傾向は強まっており,癌患者における性機能障害の検討や身体障害のある女性についての社会的な要因などを含めた詳細でかつ広範な検討1),脊損女性の性機能を男性で行われているような性的な視覚刺激や性器への刺激に対する膨潤を含む性反応の検討が行われるなど,性機能の詳細な検討が進められている2).
わが国においても,障害者の性の問題をQOLに影響する重要なものと認めながらも,まだまだ性について語ることが少ない社会のためもあって,リハビリテーション施設における性生活の指導など,現実の対応となるとまだまだ不十分な状態で3),今後,もっと積極的な姿勢が求められる.
ここでは,セクシャリティのうちの異性との交流がもたらす心理情緒的なものには触れず,性交自体に関連したことを述べるが,脳卒中患者の性機能障害の理解と性生活の指導に参考になるように,日本人の性意識と性行動についても簡単に触れたい.
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