Japanese
English
研究と報告
脳卒中患者の排尿障害の実態とその経過について―年齢,知能,身体能力との関連
Prevalence and Prognosis of Urinary Disturbance in Stroke Patients.
川平 和美
1
,
白沢 彰子
1
,
日吉 俊紀
1
,
竹迫 賢一
1
,
田中 信行
1
Kazumi Kawahira
1
,
Akiko Shirasawa
1
,
Toshiki Hiyoshi
1
,
Kenicni Takezako
1
,
Nobuyuki Tanaka
1
1鹿児島大学医学部霧島分院
1Kagoshima University Hospital Kirishima Branch.
キーワード:
排尿障害
,
脳卒中
,
精神身体能力
Keyword:
排尿障害
,
脳卒中
,
精神身体能力
pp.853-858
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105697
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はじめに
脳卒中後の排尿障害は患者に高齢者が多いために表面化しにくく,患者・家族のあきらめもあって放置されがちである.しかし,失禁や頻尿は患者,家族の悩みであるばかりでなく,リハビリテーションプログラム遂行上の大きな阻害要因である.排尿障害は失禁や頻尿による訓練の中断,尿意や身体症状へのとらわれ,精神集中困難等の直接的影響に加えて,心理面でもオムツや排泄の介助を受ける事は,依存や退行,意欲の低下につながりやすい.しかし,脳卒中患者では漠然と膀胱の両側性支配によりその障害は少いと考えられ,明らかな泌尿器科的愁訴のある例での検討はあるが1~5),多数の脳卒中患者での検討は非常に少い6,7).
われわれは非選択的な脳卒中患者213名において失禁,残尿およびシストメトリーから判定した膀胱機能と知能や下肢能力,年齢との関連,リハビリテーションプログラム前後での変化について検討したので報告する.
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