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講座
脳性麻痺の周辺(2)―合併症
Problems related to the Cerebral Palsy (2): Complications associated with Cerebral Palsy.
丸山 博
1,2
Hiroshi Maruyama
1,2
1松戸クリニック
2東京女子医大小児科
1Matsudo Clinic.
2Tokyo Womnen's Medical College.
キーワード:
脳性麻痺
,
合併症
Keyword:
脳性麻痺
,
合併症
pp.625-629
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104458
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まえがき
脳性麻痺というのは脳障害を運動の面から見た診断であって,病名としてははなはだ偏ったものである.
脳障害の現われとしては,全体像を把握することは難しくてとてもできないが,現時点では次のように分けられるであろう.
A.一次性障害
a.運動の障害
b.感覚および知覚の障害
c.知能の障害
d.精神障害
e.自律神経障害
B.二次性障害
a.栄養障害
b.骨関節の変形
c.呼吸障害
d.易感染性
e.てんかん
f.反芻性食道炎
g.成長障害
以上のすべてにわたり小文で触れることはできない.とくに脳障害のうち運動障害だけとり上げても膨大な問題を含んでおり,それ以外を脳性小児麻痺の合併症とするなら巨大な研究域をもつことになるのであるから,その入門すら筆者の能力では覚束ない.
そこで本文では,とくに現在の時点で問題となっていることを抽き出して,それについて以下の項目で簡単に解説することにしたい.
Ⅰ.脳性麻痺児の三急性症状
1)てんかん重積症
2)周期性嘔吐症様発作
3)高熱症候群
Ⅱ.栄養障害
1)るい痩
2)肥満
Ⅲ.感覚障害,知覚障害
1)視力障害
2)聴覚障害
3)学習障害
Ⅳ.言語障害
Ⅴ.自律神経障害,夏季高体温
Ⅵ.ジストニー発症
Ⅶ.反芻性食道炎による消化管内出血
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