Japanese
English
臨床経験
脳性麻痺を合併した成人クレチン症の1例
A Case of Adult Cretinism with Cerebral Palsy
西山 正紀
1
,
二井 英二
1
,
山崎 征治
2
Masaki Nishiyama
1
1三重県立草の実リハビリテーションセンター整形外科
2上野総合市民病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Mie Prefectural Kusanomi Rihabilitation Center
キーワード:
adult cretinism
,
成人クレチン症
,
cerebral palsy
,
脳性麻痺
Keyword:
adult cretinism
,
成人クレチン症
,
cerebral palsy
,
脳性麻痺
pp.1233-1235
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902556
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抄録:脳性麻痺を合併した成人クレチン症の1例を経験したので報告する.32歳時身体所見は,身長128cm,arm span 123cmで四肢短縮型小人症を示していた.重度の知能障害,眼間開離,鼻根扁平,鞍鼻を認めた.皮膚は蒼白で乾燥し,やや冷たく,手指は太く,屈曲拘縮を示した.下肢には痙性が著明であった.末梢血では軽度の貧血,甲状腺機能検査ではT3,T4の減少,TSHの増加をみた.X線所見では,腸骨稜骨端核の癒合不全,股関節亜脱臼,外反扁平股を認め,成人クレチン症と脳性麻痺の混在する所見を示した.甲状腺ホルモン投与により活動性の改善と多関節症状の改善が得られ,治療開始後2年のX線所見では,腸骨稜骨端核は癒合していた.成人クレチン症においても,内科的甲状腺ホルモン管理は重要である.
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