Japanese
English
講座
脳性麻痺の周辺(5)―病理,とくに臨床像との対応について
Problems related to the Cerebral Palsy (5): Pathological Study of Cerebral Palsy.
森松 義雄
1
,
松山 春郎
1
,
篠原 猛
2
,
玉川 公子
2
,
小田 雅也
2
Yoshio Morimatsu
1
,
Haruo Matsuyama
1
,
Takeshi Shinohara
2
,
Kimiko Tamagawa
2
,
Masaya Oda
2
1東京都神経科学総合研究所臨床神経病理学研究室
2東京都立府中療育センター
1Department of Clinical Neuropathology, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences.
2Metropolitan Medical Center of the Severely Handicapped.
キーワード:
脳性麻痺
,
Befundlose Athetose
Keyword:
脳性麻痺
,
Befundlose Athetose
pp.877-888
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104231
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はじめに
近年,perinatalの医学的管埋が進み脳性麻痺の発生は減少し,生化学的手法の進歩やCTスキャンなどの導入により臨床診断も格段と的格になってきている.さらに,Bobath法,Vojta法など発達神経生理学的観点からのアプローチによる早期のリハビリテーションが施行されている.とはいえ,脳性麻痺を発育途上に生じた脳の非進行性病変に基づく運動障害とするなら,生前に脳性麻痺として一括されたものの中に意外と剖検により進行性病変の範疇に入れた方が良いと思われるものが混っていることがある.さらにまた,臨床的には重症の四肢痙直麻痺やアテトーゼを示すにもかかわらずCTスキャンや,さらには病理形態的にもそれに対応する変化に乏しい例に遭遇することもある.
そこで今回は脳性麻痺病理の概略を示し,臨床像と病理との対応について述べるとともに,2~3の問題について推論を加えたいと思う.
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