Japanese
English
特集 悪性腫瘍とリハビリテーション
末期癌患者へのアプローチ
Approach to the Terminal Cancer Patient.
柏木 哲夫
1
Tetsuo Kashiwagi
1
1淀川キリスト教病院精神神経科
1Psychiatric Department, Yodogawa Christian Hospital.
キーワード:
末期癌患者
,
care
Keyword:
末期癌患者
,
care
pp.893-896
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104424
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はじめに
リハビリテーションを辞典(医学英和辞典,南山堂)で引くと,更生,復業,社会復帰,と訳されている.すなわちリハビリテーションという言葉の中には,健康な状態ではなくなり,機能が低下した状態を,全くもとの健康な状態にまでもどすことはできないまでも,もどすように努力するという意味が含まれている.悪性腫瘍とリハビリテーションの問題を考える時に,リハビリテーションの対象にならない悪性腫瘍のことを考慮に入れる必要がある.すなわち,現代医学の粋を集めてもその生命を救うことができない癌患者に対するアプローチを忘れてはならない.リハビリテーションはcure(治療,治癒)という概念につながる.しかし末期癌の患者はcure(治癒)からは見放なされた存在である.しかしわれわれは末期癌の患者をcureできなくても,care(配慮,援助)はできる.医学におけるcureとcareの問題,末期癌患者の必要,末期癌患者へのチームアプローチ,家族へのアプローチ,患者の希望などについて述べ,最後に最近日本においても関心が高まっているホスピスの働きについてもふれてみたい.
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