Japanese
English
特集 悪性腫瘍とリハビリテーション
人工肛門造設とリハビリテーション
Colostomy and Rehabilitation.
森谷 冝皓
1
,
小山 靖夫
1
Yoshihiro Moriya
1
,
Yasuo Koyama
1
1国立がんセンター外科
1Departement of Surgery, National Cancer Center, Tokyo.
キーワード:
人工肛門
,
ストーマ
,
ストーマリハビリテーション
Keyword:
人工肛門
,
ストーマ
,
ストーマリハビリテーション
pp.885-892
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104422
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はじめに
大腸癌は,わが国において増加しつつある癌の一つである.最近,肛門括約筋温存手術が積極的に採用されるようになり,直腸癌に対し,無選択的に人工肛門造設を伴ういわゆるMile's手術を適応する傾向は減少してきた.しかし,下部直腸癌の多くは,今日もMile's手術の適応であることに変わりはなく,これらの患者は,終生人工肛門保有者となる.一方,大腸癌のほかにも,一時的あるいは永久的な人工肛門造設術が必要となる疾患は少なくない.特に最近は,潰瘍性大腸炎のごとき,下部消化管を系統的に侵し,全大腸の切除が必要となるような特異疾患が増加してきている.このような状況の中で,外科医は,所期の治療目的を十二分に達成することを前提とした肛門機能温存術式の開発や,正しい適応の決定に引き続き努力せねばならないが,反面,治療目的によるとはいえ,人工肛門による排便を余儀なくさせられる状態に患者を置いた当事者としてその社会復帰に援助を惜しむことは許されないであろう.このような点から,人工肛門造設の手技上の問題点,術前術後管理,排便処理法を中心として,日常私共が行っている実際を述べ,反省と展望にもふれたいと思う.
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