Japanese
English
レター
ケアの倫理と目的論の統合―ケアの倫理を議論の俎上に載せるためのアプローチ
Integration of caring ethics and teleology: a new approach to discussing caring ethics with each other
太田 勝正
1
Katsumasa OTA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科
1Nagoya University graduate school of medical science
キーワード:
ケア
,
ケアリング
,
ケアの倫理
,
目的論
,
原則に基づく倫理
,
care
,
caring
,
caring ethics
,
teleology
,
principle-based ethics
Keyword:
ケア
,
ケアリング
,
ケアの倫理
,
目的論
,
原則に基づく倫理
,
care
,
caring
,
caring ethics
,
teleology
,
principle-based ethics
pp.46-48
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
看護実践の中で、私たち看護師はどのように倫理的な問題に対処していけばよいのか。そのために看護師はどのような看護倫理上の知識や技術や感性を身につけていけばよいのだろう。
確かに批判も多いが、西洋の哲学的伝統の中から生まれた「原則に基づく倫理」という倫理的立場は、定義がはっきりした倫理原則をもとに、直面している問題を整理し、見つめ直して、そこに見出された倫理的問題、対立する倫理的課題にどのように取り組んで行けば良いかを私たちに提供してくれる有力な「倫理的問題解決の枠組み」を提供してくれる(p.116)1。もちろん、歴史を紐解くまでもなく、同じ西洋の哲学的伝統の中にある米国においてすら今から数十年も前に、すでに原則を重視する中で生じるパターナリズムへの批判、フェミニムズの立場からの問題が提起され、原則ではなく問題の本質、その当事者のために何をなすべきかに注目した「ケアの倫理」への転換の必要性が主張され、その重要性と利点が多くの看護研究者によって示されて来ている。また、自律性、無害性などの倫理原則ではなく、看護師としてのあり方、看護としてのあるべき姿などに基盤を置く、「徳の倫理」への回帰も今日、多くの研究者によって主張されている。
Copyright © 2012, The Japan Nursing Ethics Associatin. All rights reserved.