Japanese
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特集 脳障害児の早期療育
Bobath approachによる脳障害児の早期療育とその成績
Results of Early Neurodevelopmental Treatment Approach in the Infants with Cerebral Dysfunction.
梶浦 一郎
1
Ichiro Kaziura
1
1聖母整肢園
1Seibo Seishien Hospital for Handicapped Children.
キーワード:
Bobath approach
,
正常化
Keyword:
Bobath approach
,
正常化
pp.277-284
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104302
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いとぐち
近年,脳性麻痺児をはじめとする神経発達障害児に対する早期療育の必要性が唱えられ,各国において多くの方法が開発され,その効果が論じられている.
特に脳性麻痺については,1950年代からBobathによる神経発達学的治療アプローチ(Neurodevelopmental treatment approach)が発表され,各地で実施されてきた.
我々の園においては,1970年の開園以来,Bobath approachによる早期療育を試みて,その結果の一部はすでに発表した.これらはいわば,異常さの確立した脳性麻痺に対する長期的治療成績である.すなわち,早期において脳性麻痺が疑われ,治療により正常にいたった場合は,その成績からは除外していた.このことは,早期における脳性麻痺の診断技術が確立していないこと,従って,正常になった場合,それが自然発達であるか,治療効果であるかの確たる根拠が一般的に認められていないことによるものである.
しかし,1975年,Vojtaの来日により,症候性危険児(Symptomatischen Risikokinder)の多くは正常化(Normalization)させることが可能であり,従って大部分の脳性麻痺が予防できるとの注目すべき概念が導入され,多くの論議がなされはじめた.
そこで今回は,特に短期問の治療成績として,正常化の問題を検討してみる.
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