追悼
Bobath夫妻を偲んで
梶浦 一郎
1
1ボバース記念病院
pp.666-667
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106853
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平成3年1月21日,ロンドンのボバースセンターのBryce所長から1通のファックスが送られてきました.「先週末にBobath夫妻が亡くなりました.彼らは仕事も生活も一緒でした,云々」という簡単な内容でしたが,非常な驚きと悲しみが胸中をよぎると同時に,何かBobath夫妻のすべてを物語るような気さえしました.その2日後にフロリダから送られてきたJay Schleichkornの報告で事情が明らかになりました.Karel Bobathは数週間前に転倒し,ベッド上生活になりましたが,入院を好まず,家でBerta Bobathの介護を受けていました.しかし,Bertaも年齢が83歳で,かねてから多発性の関節炎で痛みが激しく,精神的にも打撃を受けたようです.報告の原文には下記のようにありました.
The fact that they seemed to agree on taking their life further demonstrates the overwhelming love they had for each other.
1991年4月23日,St. George's Dayの日に金婚式をするつもりだと人に語っていたお2人が,その日を迎えることなくあの世に旅立たれたのは,事情はどうあれ,悲しみに耐えません.しかし,お2人はいつも一緒に仕事をしておられましたので,一緒に亡くなられるのが最もふさわしかったのかも知れません.どちらか1人が残っても,夫妻にとっては意味のないことだったのでしょう.
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